親族への承継(税務対策)

トップページ > 親族への承継 > 税務対策 1 > 税務対策 3

相続税における株式評価の必要性

事業承継に伴って税負担が生じますが、この税負担の問題を検討することなく事業承継を行った結果、予想を超える税金の支払いが生じて事業の継続に支障をきたすおそれもあります。 この税負担は、後継者の取得する財産の価格により決まるものであることから、この財産の価格を把握し、必要に応じて税金対策を行うことが重要です。

自社株の評価方法について

事業承継により生じる税負担は、後継者が取得する財産の価格に応じて発生します。相続税法ではこの財産の価格は時価によることとされていますが、非上場株式の場合は、取引所相場があって時価を把握することのできる上場株式と異なり明確な時価を把握できないため、 財産評価基本通達に定める評価方法によって算出された価格を相続税課税上の時価としています。
従って、その評価方法を理解し、財産や利益の状態を変えて自社株の評価を低く抑えるようにすれば、相続税の負担を軽減することができるようになり、結果としてスムーズな事業承継を可能とします。

非上場株式の場合の評価方法は、(1) 純資産価額法、(2) 類似業種比準価額法、(3) 配当還元法の3つに分類され、(1)と(2)は原則的な評価方法であり、(3) は例外的な評価方法です。
自社株評価の手順としては、まずはじめに会社の規模を判定します。対象企業の業種を大きく卸売業、小売・サービス業と卸売業・小売サービス業以外の会社に区分をし、従業員数、取引高(売上高)、総資産価格から判定します。

会社規模の判定
規模区分従業員基準従業員を加味した
総資産基準
取引高基準
大会社従業員数が100人以上の会社または次のいずれか該当する会社卸売業20億円以上で、従業員数が50人超80億円以上
小売・サービス業10億円以上で、従業員数が50人超20億円以上
卸・小売サービス業以外10億円以上で、従業員数が50人超20億円以上
中会社従業員数が100人未満の会社で次のいずれか該当する会社卸売業7000万円以上で、従業員数が5人超2億円以上80億円未満
小売・サービス業4000万円以上で、従業員数が5人超6000万円以上20億円未満
卸・小売サービス業以外5000万円以上で、従業員数が5人超8000万円以上20億円未満
小会社従業員数が100人未満の会社で次のいずれにも該当する会社卸売業7000万円未満、または従業員数が5人以下2億円未満
小売・サービス業4000万円未満、または従業員数が5人以下6000万円未満
卸・小売サービス業以外5000万円未満、または従業員数が5人以下8000万円未満

次に、類似業種比準価格方式による評価と、純資産価額方式による評価をします。
類似業種比準価格方式とは、対象企業が上場企業と仮定した場合に想定される要素(株価・配当・利益・純資産)を対象企業と比較して計算します。ただし、未上場株式であるため、評価の安定性を考慮して、30%の減額がなされます。
純資産価額方式とは、対象企業が解散したものと仮定した場合に、株主にいくら分配することができるかを計算するものです。対象企業の貸借対照表に記載された簿価を時価に引き直すことによって、その貸借差額概念である含み益を計算することに特徴があり、 貸借差額の58%を乗じることによって、税引後の手取額を計算することになります。

最後に、評価額の計算をします。
類似業種比準価額方式により計算した金額と、純資産価額方式によって計算した金額をもとにして、評価額の計算をします。

評価額の計算
規模区分評価額の計算
大会社類似業種比準価額方式で評価。ただし、納税義務者の選択により純資産価額方式で評価もできます。
中会社類似業種比準価額方式と純資産価額方式との折衷額での評価。ただし、納税義務者の選択により純資産価額方式で評価もできます。(折衷額を算出するのに際して用いられる比重割合は、総資産・従業員数・取引金額に応じて定められたものを使用します。)
小会社純資産価額方式で評価。ただし、納税者の選択により類似業種比準価額方式と純資産価額方式との折衷額で評価もできます。(折衷額を算出するのに際して用いられる比重割合は0.50で、類似業種比準価額と純資産価額の平均値となります。)

相続や生前贈与により取得した株主が、会社の経営支配力を有している株主一族(同族株主)以外の株主に該当する場合などの特別の場合には、特例的に配当還元方式により評価額の計算をし、原則的評価方式での評価と選択的に評価できます。
配当還元方式とは、年間の配当実績を10%の還元率で割戻すことによって評価額を計算する方法で、年間の配当金額が2円50銭未満(無配も含む)のものについては、2円50銭として計算をします。

アクセス解析