親族内承継
親族内承継とは、現経営者の子息、妻、娘婿、兄弟姉妹等の親族に対して事業を承継させることを言います。
創業経営者が、全力で作り上げてきた会社を子供に継がせたいと思うことは自然なことであり、
また、従業員や取引先など内外の関係者にとっても親の会社を子供が継ぐというのは自然なことで納得できるものであるため、
もっとも多く選択されている方法です。
親族内承継のメリット・デメリット
親族内承継のメリットとしては、次の４点があります。
1. 従業員や取引先などから心情的理解を得やすいこと
従業員や取引先など内外の関係者にとって経営者の交替は重要な関心事でありますが、子息が跡を継ぐのは自然なことですし、
これまでと変わらない待遇や付き合いを継続することができるという期待もあって、心情的理解に受け入れられやすく、同意を得やすい傾向にあります。
2. 創業者である現経営者が満足感を得ることができること
一般に、創業者は、自身が築き上げてきた企業に対して特別の愛着を持っており、自分と血のつながりのある人間に承継したいという感情を持っています。
自分の子息等親族に事業を承継させることで、この感情を実現でき満足感を得ることができます。
3. 経営理念を後継者に対して承継できること
経営理念を後継者に対して承継することで、経営者が創業したときから大切にしてきた意思や理想を後継経営者に承継することができます。
4. 事業承継時期・期間等を柔軟にできること
親族内で事業承継する場合、事業承継をする時期や期間を現経営者が企業の現状等によって柔軟に判断することができます。
事業承継を円滑に行うため、後継者を早期に決定し、長期の準備期間を確保することも可能です。
逆に、親族内承継のデメリット（障害）としては、
- 後継者候補である子息に事業を承継する意思がないことや、
- 相続人が複数いる場合、後継者の決定や経営権の集中が難しいこと、
- 承継を円滑に行うためには、ある程度時間をかけないといけないこと
などがあります。
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