株式の買取資金の調達方法

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資金調達の方法

親族以外の役員や従業員が現経営者から株式を購入するのに際して、株式を買い取るのに十分な資産を有していないことが多く、この買取資金の調達が従業員等への承継の成否にとって 重要なポイントとなります。この買取資金の調達方法としては、以下の方法があります。

銀行融資による資金の調達

銀行から株式購入のための資金を融資してもらうためには、資産的背景のない従業員等に対して貸付をしてもらうことは難しいのが現状です。 会社の規模が大きく、優良な会社の株式購入資金については、会社の財産や将来の予想収益(キャッシュフロー)を担保として後継候補者が借り入れをすることが可能です (LBOファイナンス)が、一般の中小企業の株式購入資金を銀行融資でまかなうことは容易でありません。

ファンドを活用した資金の調達

中小企業の事業承継問題を解決することを目的として設立された事業承継ファンドから出資を受ける形で資金を調達する方法があります。事業承継ファンドは、 非公開企業に投資をして得ることに主眼をおいたプライベートエクイティファンドの一種で、投資先の企業価値を向上させ株式公開を目指します。
ファンドを利用した資金調達は、優れた技術やノウハウを有している企業でないと難しく決して容易ではないうえに、株式の大半をファンドが保有するのが一般的であることから、 株式公開が難しいと判断された場合には事業会社や他のファンドに保有株式を売却されてしまうということもあります。
従って、ファンドからの資金調達をする場合には、銀行融資と異って経営権維持の問題があることに留意する必要があります。

経営承継円滑化法

従来型の事業承継における資金調達はハードルが高く容易ではなかったため、中小企業の事業承継を円滑に進めることを目的として、平成20年10月1日に経営承継円滑化法 (中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律)が施行されました。
施行された経営承継円滑化法では、金融支援措置として、経営承継円滑化法に基づく認定を受けた中小企業者は、日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の特例として 株式取得資金を政府系金融機関から特別利率で借り入れができる措置が取られています。 また、中小企業信用保証法の特例として株式取得資金を事業承継に関する資金を通常の保証枠とは別枠で保証を受けることができる措置も取られました。
これらの措置を利用して、後継者候補が株式や事業用資産購入のために融資を受けることが可能となりました。

参考:中小企業経営承継円滑化法申請マニュアル(http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/080917shokei_manual.htm)